今回のお話は、押入れのお話

収納の内装材について、住まいづくりを考えるときには、それほどこだわりを持って考えることが少ない部分だと思います。ですが、暮らし始めてみると素材の違いで収納物がカビてしまうなどトラブルの原因となることも少なくありません。普段目にすることが少ない部分にこそ、丁寧な素材選びと、つくりのひと工夫が必要です。住みやすさにつながるヒントはどんなところにあるのでしょうか?

収納やクローゼットの内装といえば、一昔前は、床・壁・天井ともに薄いラワンベニヤ一辺倒でしたが、今では石膏ボードやラワンベニヤに化粧紙を貼った化粧ボードや化粧合板で仕上げられているようです。見た目には綺麗で申し分ない仕上りなのですが、収納の中の状況を考えてみると、調湿作用のある木材で仕上げるほうが良いのではないかと思います。収納する衣類や布団など、もともと湿気を含みやすい素材ですから、良く乾燥させて収納しても季節によっては自然に湿気を含んでしまいます。狭い空間で湿気があり、風通しが悪ければ壁面に結露をおこしカビの発生原因になります。ですから、内装仕上げ素材に調湿作用のある木を使うことで、乾燥していれば水分を吐き出し、湿度が高ければ水分を吸ってくれて緩やかに環境を整えてくれます。床・壁・天井まですべて自然乾燥のスギの板張りですから香りも良いですね。さらに布団を置く棚などはすでに厚い板のスノコになっているんですよ!お使いの収納ボックスや衣装ケースなどの寸法にあわせてレイアウトしてつくることも可能ですから使い勝手が良く、無駄のない収納スペースに出来ると思います。また、押入れをさらに大きくした納戸なども自在にアレンジできます。

 「押入れの中にも?」

人に、環境に、家計に
やさしい家づくりの話
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  11月19日掲載

タウンニュース記事の解説